生活習慣病

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こんな症状ありませんか?

  • 健康診断で異常があった
  • 口がよく渇いたり、尿が多い
  • 足がむくむ
  • 頻繁に息切れする
  • 一か月以上咳や痰が出る
  • 食欲がなく、身体がだるい
  • 尿に血が混じるときがある
  • 20歳時より10㎏以上体重が増加
  • 5kg以上体重が減少

生活習慣病とは

かつては「成人病」と呼ばれていた生活習慣病は、食生活、運動、喫煙、飲酒、ストレスなどの生活習慣が発症リスクを高めることからその名がつけられました。初期段階では目立った兆候が見られず、時間が経過するにつれて重大な疾病に進行する特徴があります。そのため、日々の生活習慣を改善し、健康的な生活を維持することが非常に重要です。
当クリニックでは患者様と協力し、生活習慣病の予防に向けた取り組みをサポートしています。

主な対応疾患

  • 糖尿病
  • 肥満症
  • 高血圧症
  • 心臓病
  • 高脂血症(脂質異常症)
  • 動脈硬化症
  • 痛風(高尿酸血症)など

生活習慣病の原因

生活習慣病とは、乱れた生活を続けたことにより発症した疾患の総称です。たとえば食べ過ぎや偏食、運動不足、喫煙、過度な飲酒、睡眠不足などが「乱れた生活」の一例になります。生活習慣には個人差があるため、病気のなりやすさや症状の進行は人によってさまざまです。体に負担をかけると体調不良の原因となりますが、この状態を長期間にわたって続けることによって、一時的な疾患から慢性的な疾患へと悪化してしまいます。

高血圧症

血圧が高い状態が続くことを高血圧症と言います。血圧が高いと、血管の壁が圧慮を受けて傷つき、血管の壁が厚くなったり硬くなったりして、動脈硬化を引き起こすリスクを高めます。動脈硬化は狭心症や心筋梗塞、脳卒中、腎臓病などの病気の原因となるため要注意です。高血圧の原因は遺伝的要因と生活習慣ではないかと考えられています。たとえば塩分の多い食事を好む人や、喫煙・飲酒の習慣がある人、運動不足の人、ストレスを抱えている人は、高血圧症になるリスクが高いです。

主な治療方法

当クリニックは、最新の治療指針となる「高血圧症治療ガイドライン」に基づいて高血圧症を治療しています。禁煙・減量・減塩などの方法から患者様に適した治療方針を決定し、生活習慣の改善を目指すのが基本です。また、血液検査や心電図、胸部レントゲンを使って心臓などの臓器の状態を調べ、「二次性高血圧」の有無を調べます。 必要な場合は血圧を下げる薬も処方できますが、当院では薬を極力使わない治療を心がけています。また、薬の副作用についても定期的に確認しているため、ご安心ください。

脂質異常症

脂質異常症とは、血液中の善玉コレステロール(HDL)が低い状態、もしくは悪玉コレステロール(LDL)や中性脂肪(トリグリセライド)が高い状態です。脂質異常症は動脈硬化の原因となる場合が多く、結果的に心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わる疾患を発症させる確率を高めます。

脂質異常症は動脈硬化の最大の危険因子です

脂質異常症は血液中の資質が過剰な状態です。血液中の資質が増えると、脂質の一種であるコレステロールが血液の壁に留まり、動脈硬化を引き起こす原因になります。この現象は「粥状動脈硬化」と呼ばれており、動脈硬化の大半がこのタイプです。
つまり動脈硬化にとって最大の危険因子が脂質異常症であるとも言い換えられます。動脈硬化は脳梗塞や脳出血、心筋梗塞、狭心症などの命に関わる病気や、重篤な後遺症につながる病気を発症させるため、健康を維持するためには脂質異常症の早期治療が必要です。

主な治療方法

脂質異常症の治療法として有効なのは、生活習慣の改善と薬物療法の併用です。まずは食生活と運動習慣の両方を改善させ、コレステロールや中性脂肪の数値を正常値へと近付けることを目指します。脂質異常症の原因が生活習慣にある場合はこれだけでも効果が見られますが、数値の改善が見られない場合は、「スタチン系」もしくは「LDLコアフェレーシス」といった薬物を使用して、コレステロールや中性脂肪を引き下げます。

糖尿病

糖尿病とは、血液中の糖分、つまり血糖値が高くなる疾患です。糖尿病を患うと血糖値をコントロールできなくなるため、「神経障害」「網膜症」「腎症」の三大合併症を引き起こすリスクを高めます。糖尿病は今や国民病のひとつと言われるほど罹患者数を増やしていますが、自覚症状があらわれにくく、合併症を発症してから異常に気付く患者様は少なくありません。糖尿病の悪化を防ぐためには日頃からの血糖コントロールが不可欠で、定期的に通院して治療を受ける方とそうでない方の未来は大きく変わります。当クリニックは常に患者様に寄り添ったサポートを行うため、どのような症状・状態でも安心してご相談ください。

糖尿病の種類

  • 1型糖尿病

    1型糖尿病は、脾臓でβ細胞が破壊されるせいで充分な量のインスリンを分泌できなくなる病気です。免疫機能の異常によって自分自身の細胞を誤って攻撃する、「自己免疫」の異常に原因があると考えられています。β細胞の破壊は進行性のため、早めに食い止めなければ悪化してしまい、不足したインスリンを注射製剤で補う「インスリン治療」が必要になります。1型糖尿病の進行度は「劇症」「急性発症」「緩徐発症」の3種類です。

  • 2型糖尿病

    糖尿病を罹患した日本人のうち約95%が2型糖尿病の患者です。遺伝因子と環境因子が加わることでインスリンの分泌が減ったり、インスリンの働きが悪くなったりすることで発症します。遺伝因子は文字どおり遺伝的な原因で、血のつながりのある両親や親戚が糖尿病患者の場合、将来的に糖尿病を発症する可能性が高いとされています。環境因子は主に生活習慣の問題です。食べ過ぎや運動不足、過度なストレスなどの後天的な原因を指します。早期発見・早期治療ができれば、生活習慣を是正するだけでも症状の改善を見込めます。

合併症を発症するリスクがあります

糖尿病で本当に怖いのは合併症です。闘病病治療の目的は「合併症を防ぐこと」と言っても過言ではありません。
実は、血糖値が高いだけで致命的な問題が起こることはほぼありません。問題なのは血糖値が高い状態が年単位で続き、血管や神経などが傷んでしまい、これが最終的に臓器の合併症を引き起こすことです。
臓器の合併症を発症し、自覚症状が出るほどまでに症状が進行してから糖尿病の治療を始めても、改善できる可能性は低いと言わざるを得ません。合併症の症状が出ないうちに糖尿病の治療を開始しましょう。

主な治療方法

食事療法
糖尿病治療において欠かせないのが食事療法です。食事療法には過酷なイメージがつきまといますが、当クリニックでは糖質やカロリーを極端に制限するような食事療法は行いません。患者様の身長や体重、普段の活動量などをもとにして1日の適正カロリーを計算し、逆算したメニューをご提案します。炭水化物やたんぱく質、脂質などを充分に摂取し、ビタミンやミネラルなどの栄養バランスも整え、毎日の健康的な食事を大切にしながら糖尿病をコントロールします。
運動療法
食事療法と同様に大切な治療が運動療法です。運動によって筋肉がつくとインスリンの働きが活性化され、血糖値を安定させられます。先述した食事療法によって、運動を効率化させられる栄養素を体に取り込み、エネルギーの需給バランスを整えられるため、相乗効果にも期待できます。また、運動が気分転換にもつながり、治療に向けたモチベーションを維持できるほか、ストレス発散や間食予防にも役立ちます。
薬物療法
食事や運動だけでは血糖値をコントロールできない場合は、薬物療法の検討が必要です。糖尿病治療に使う薬物にはいくつかの種類があり、食事の吸収を穏やかにする薬やインスリンの分泌を促進する薬、インスリンの効果を高める薬などの中から、患者様の症例に適した薬剤を処方します。また、誤った服用方法を避けるために、当クリニックでは責任を持って正しい服用の方法もアドバイスいたします。

糖尿病とフットケア

糖尿病による合併症のひとつが足病変です。重症例のまま放置して悪化させると、最悪の場合は足を切断しなければなりません。切断を避けるためには、血糖値のコントロールを継続するとともに、ご自身でフットケアを行う必要があります。
当クリニックでは、多くの症例を経験している看護師がフットケアを担当しております。患者様の足の状態を定期的に観察し、ご自宅でできる最適なフットケアの方法もお伝えするため、足の健康状態を良好なまま保つことが可能です。

フットケア

高尿酸血症(痛風)

高尿酸血症とは、体内に溜まった尿酸が結晶化して関節炎を引き起こす症状で、一般的には「痛風」と呼ばれます。尿酸値をコントロールできず、尿酸値が高い状態が続くと、歩けないほどの痛みに襲われるばかりか、腎臓にも悪影響が及ぶため要注意です。また、痛風は尿路結石を引き起こす原因にもなります。

高尿酸血症によって生じる症状

高尿酸血症自体が何らかの症状を引き起こすことはありません。しかし高尿酸血症が長期化すると尿酸が結晶化し、これが関節に溜まると「痛風発作」が起こります。痛風発作はある日突然起こり、1~2週間ほどで改善しますが、発作が出てから2~3日はあまりの激痛により歩くこともままなりません。また、適切な治療を施さなければ、定期的に発作を繰り返します。

主な治療方法

食事療法
食事療法では、栄養バランスの良い食事を1日3食摂り続けます。水分をたっぷりと摂取して、尿酸の排泄を促進させることもポイントです。一方、尿酸のもとになるプリン体を多く含んだ「レバー」や「魚卵」、尿酸値を高める「ビール」などのアルコールを摂取することは控えましょう。
運動療法
運動療法では、ウォーキングなどの有酸素運動を1日30分を目安に続けます。激しい運動は発作の原因となるため控えましょう。肥満の解消に向けて、無理のない範囲の運動を継続することが大切です。
薬物療法
薬物療法が必要な場合は、尿酸値血症のタイプを診断した上で、患者様に最適な薬剤を処方します。薬剤の特徴は、尿酸の酸化を抑える薬や、尿酸の排出を促す薬などさまざまです。薬物療法では尿酸値の急激な変動が起こりやすく、これが風通発作の原因になるため、時間をかけてゆっくりと数値を落とさなければなりません。当クリニックでは、万一の痛風発作に備えて、痛み止めや予防薬の処方も行います。
尿酸値が充分に下がったとしても、血症が解けるまでには時間が必要です。自己判断で治療を止めるのではなく、医師の指示にしたがって、継続的に治療を行いましょう。

メタボリックシンドローム

メタボリックシンドロームとは、内蔵脂肪型肥満に加えて「脂質異常症」「高血圧症」「高血糖症」のうち二つ以上の疾患を伴う状態です。治療をせずに放置すると、脳卒中や心筋梗塞といった動脈硬化性疾患を引き起こす原因になります。比喩表現として「メタボ」という言葉が使われることもありますが、決して甘く見てはならず、重大なリスクが潜んでいることを理解して、改善に向けて取り組むことが大切です。

メタボリックシンドロームは病気になるリスクを高めます

メタボリックシンドロームは、高血糖・高血圧・脂質代謝異常などのリスクを高める状態です。これらの問題が重複したり、悪化したりすると、動脈硬化の発生や進行リスクが高まります。結果として脳卒中や心臓病などの命に関わる疾患につながる恐れがあるほか、腎臓病、非アルコール性脂肪肝、高尿酸血症、睡眠時無呼吸症候群などの発症リスクを高めるため要注意です。
メタボリックシンドロームや動脈硬化によって体調不良を自覚するケースは少なく、何らかの疾患を発症した後や、疾患が重症化してはじめて問題に気付くケースが目立ちます。
メタボリックシンドロームの予防と治療に向けて重要なのは、栄養バランスの取れた食生活を続けることや、運動不足の状態を解消させることです。また、必要に応じて薬物治療も必要になります。専門医の診断と指導を受け、重大な疾患の予防に取り組みましょう。

主な治療方法

運動療法
内臓脂肪を減らすためにもっとも重要なのは運動なので、日ごろから体を動かす習慣をつけておきましょう。
食事療法
食生活の乱れは内臓脂肪を溜める原因になります。食べ過ぎはもちろん「1日2食以下」などの欠食も避けなければなりません。栄養バランスの整ったメニューを取り入れることを基本として、1日3食を決まった時間に食べるなどの方法で食生活を改善させましょう。
禁煙
タバコにはニコチンをはじめとする多くの有害物質が含まれています。喫煙が動脈硬化を進行させて脳卒中や虚血性心疾患のリスクを高めるほか、がんを発症させる原因にもなるため、禁煙を強くおすすめします。